介護サービスの自己負担額はどのくらい?

ケアマネに必須!介護費用の知識

サービスの種類によって異なる自己負担額

実際にかかる費用は1割~3割程度

日本の介護保険制度

日本では40歳以上の人が要介護や要支援になった場合に国の介護サービスが利用できる「介護保険制度」を設けています。介護度は「要支援1・2」「要介護1・2・3・4・5」と段階別に分けられており、要支援1が軽度で要介護5に近づくほど重度になっています。介護が必要になった場合は、まずは住んでいる市区町村で「要介護認定」を受け、介護度に合わせて必要な介護サービスを受けます。介護サービスは自己負担1割が原則ですが、一定以上の収入がある場合は2割もしくは3割負担となります。
介護サービスと一言でいってもその内容は「居宅サービス」と「施設サービス」の2つに分けられます。それぞれのサービス内容や自己負担額について詳しく見ていきましょう。

居宅サービス

自宅に居ながら利用できる介護サービスのことを「居宅サービス」といいます。訪問介護やデイサービス、デイケアなどの利用がこれにあたります。もし施設に入っていても、施設が居宅として認められれば居宅サービスが利用できます。
居宅サービスは介護度によって利用限度が決められています。介護度ごとに1ヵ月の利用限度額を自己負担額1割で見ていくと、「要支援1は5,003円」「要支援2は10,473円」「要介護1は16,692円」「要介護2は19,616円」「要介護3は26,931円」「要介護4は30,806円」「要介護5は36,065円」です。この金額を超えた分や対象以外の介護サービスを利用する場合は全額自己負担となります。

施設サービス

特別養護老人ホームなどの介護老人福祉施設や介護老人保健施設などに入所しながら利用する介護サービスのことを「施設サービス」といいます。施設サービスは個室なのか相部屋なのかで自己負担額が異なります。
例として特別養護老人ホームに入所している要介護5の高齢者の1ヵ月の自己負担額を見ていきましょう。多床室を利用した場合は施設サービス費(1割負担)と居住費が約25,200円、食費が約42,000円、日常生活費が約10,000円で合計10万1,700円かかります。一方、ユニット型個室を利用した場合は食費と日常生活費は変わりませんが、施設サービス費(1割負担)が約27,000円、居住費が約60,000円となっているため、合計すると13万9,000円と若干高めです。

地域密着型サービスにも注目が集まっている

地域密着型サービスとは介護が必要になっても住み慣れた地域で快適に暮らし続けるためのサービスのことです。小規模な施設に入居してサービスを受けたり、自宅で必要なサービスを受けたりしますが、施設の場合は定額制のため介護度ごとに決められた金額を払います。一方、自宅で暮らしながらサービスを受ける場合は小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護などを利用します。居宅サービス同様、利用した分だけ支払う形なので、介護度や利用する頻度によって異なります。

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